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中央放射線科[放射線被ばくについて・医療被ばくQ&A]
身の回りの放射線(自然放射線)
私たちは自然界からも放射線を受けています。
自然界の放射線
 放射線や放射性物質は、人間が原子力の利用を開始したことによって初めて生まれたものではありません。人間は、有史以前から様々な放射線や放射性物質の中で生活しており、放射線や放射性物質はその意味で私たちにとって身近な存在といえます。 自然界から受ける放射線を自然放射線と言い、私たちは大地、宇宙、食物及び空気中のラドンから平均して1人当たり年間約2.4ミリシーベルトの放射線を受けています。
検査別の被ばく線量とその影響
私たちはX線検診などで放射線を受けています。
 人工放射線として、がんなどの病気の診断・治療の際に受ける放射線があります。胸部X線撮影では1回当たり約0.05ミリシーベルトの放射線を受けています。
 自然放射線と人工放射線とは発生する放射線の源が自然のものか人工のものかによるだけで、人体へ与える影響は、受ける放射線の量が同じであれば、自然放射線と人工放射線の間に違いはありません。
被爆線量とその影響
検査別の被ばく線量とその影響
 放射線被ばくによる障害は大きく分けて2つあります。
1.確定的影響
線量の限度がある(影響の出る線量値が既知)
(例)脱毛・皮膚障害・白内障・不妊など
2.確率的影響

線量の限度がない(少ない線量でも確率的に起こりうる)
(例)がん・遺伝的影響

     
  • 確定的影響(閾値)
  • 皮膚 初期紅斑   2000mGy
    水晶体 白内障   5000mGy
    造血組織 機能低下  500mGy
    卵巣 永久不妊   2500から6000mGy
    精巣 永久不妊   3500から6000mGy
    胎児 奇形発生    100mGy
  • 確率的影響
  • がん・遺伝的影響   200mGy
  • 主なX線診断の際の線量
  • 胸部撮影     0.05mGy
    腹部撮影      0.9mGy
    上部消化管検査     8mGy
    下部消化管検査    16mGy
    全身CT撮影      4mGy

医療被ばくQ&A
X線検査は年に何回まで受けてよいですか?

 その人の病気によって必要な写真の数は違うので、何回までというのは一概には言えません。検査によって患者さん自身の受ける利益が、危険性よりもはるかに大きい場合にのみ検査は行われます。また、1回に受ける放射線の量はごくわずかなので、妊娠中の方以外はまず心配要りません。不安がある方や妊娠中の方は、医師と良く相談されると良いでしょう。検査にあたる診療放射線技師にも気軽にお尋ねください。

     
子供と大人では放射線の影響は違うのですか?
 子供は成人よりも放射線感受性が高いといわれています。その理由として、
  1. 成長期の子供の細胞分裂が盛んであること。
  2. 成人に比べ赤色骨髄が多いこと。
  3. 生存期間が長いので、潜伏期間の長いがんが出現する可能性があること。
  4. 遺伝的影響に対して有意な期間が長いこと。
があげられます。子供の放射線診断を行う場合、医師は細心の注意を払っており、放射線技師は鉛による生殖腺防護を行ったり、放射線が当たる場所をできるだけ小さくし撮影部位以外の被ばくを最小限に減らすなどの努力をしております。
妊娠中にX線検査を受けた場合の危険(リスク)について教えてください。
 X線の身体への影響はX線を受けた体の部位と線量に依存します。妊娠中の胎児への影響は胎児が直接X線を受けた場合のみ問題となります。胎児のリスクは、
  1. 胎児死亡(流産)
  2. 奇形児の発生
  3. 精神発達の遅延
  4. 小児がんの発生
  5. 出生児の遺伝的影響
がありますが、被ばく線量と胎児の月齢によっても影響はことなります。
胎児の影響に対して感受性の高い時期
胎児期の分類 時期 影響
着床前期 受精~9日 胚死亡
器官形成期 受精後2~8週 奇形
胎児期 受精後8週~出生
特に8~15週
発育遅滞
精神発達遅滞
胎児の影響と被ばく線量との関係
  • 胚死亡(流産)  100mGy
  • 奇形        100mGy
  • 精神発達遅延  120mGy
  • 発育遅延     100mGy
生殖腺に放射線を受けると子供ができなくなるのですか
 かなり高い放射線を被ばくしないかぎり、一時的であっても不妊になることはありません。つまり、少しでも被ばくしたら不妊になる可能性があるのではなく、一定の線量以上被ばくしないと不妊にはならないのです。 不妊になるのは生殖腺に一定以上の線量を被ばくした場合だけで、身体のほかの場所を被ばくしても不妊にはなりません。
受けた放射線が原因で、将来生まれてくる子供に遺伝的な疾病が発生するのですか。
 遺伝的影響は、子供を産む可能性がある年齢の人が生殖腺に被ばくした場合に限って問題になる影響です。これから子供を産む可能性のある若い人でも、生殖腺以外の部位なら、仮にどんなに大量の放射線を受けたとしても遺伝的影響が発生する可能性はまったくありません。仮に放射線検査で生殖腺に被ばくしたとしても、通常の行為で受ける生殖腺の線量では、遺伝的影響の発生を心配する必要はありません。


※ 通常のX線診断で人体に何か問題になるような量の放射線を受けることはないので、X線診断を受けたことが原因で人体に問題が出る可能性はほとんど無いと考えて良いでしょう。それ以上に重要なことは、行われたX線診断が病状を知るために不可欠な検査であったのか、ということです。放射線診断の実施に当たっては、医師あるいは診療放射線技師が適用の判断を慎重に行い(行為の正当化)、できるだけ被ばく線量を少なくする(防護の最適化)努力をおこなっています。


参考:文献:あなたと患者のための放射線防護Q&Aより


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