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診療部長あいさつ

 平成22年4月より診療部長を拝命しました川辺昭浩です。当地区の地域医療を支えるべく奮闘努力する所存です。よろしくお願いいたします。
 先日、東京の病院に勤務する外科医たちと懇談する機会がありました。最近話題になる医師不足を、静岡県内では切実な問題と捉え、各病院では医師獲得のため様々な努力をしています。しかし驚くことに、東京近郊の大病院では、多数の研修医が勤務し充分に人手は足りているとのことでした。たとえ医師数が今後増加したとしても、このような医師配置の不均衡は容易に解決されません。私たちの役目は、次代の地域医療の担い手として期待しつつ、静岡にいる若手医師を大切に育てていくことだと実感しました。
 富士宮市立病院は、近隣の他病院と比較してスタッフはとても充実しています。富士宮市内および近郊の二次救急は全て受け入れる方針で日夜努力を続けています。当地域は、救急車のたらいまわしもなく、比較的良好な救急体制がとられていますが、その裏では富士宮市救急医療センター(1次救急)、医師会、当院の医師達が休日も夜間も必死になって支えてくれています。この体制を維持していくためには、近隣の地域住民、医師、行政が一体となって今後も努力をし続けることが必要と思われます。全国的にみても、地方の公立病院が医師不足から廃院または規模縮小を余儀なくされている話を時々耳にします。当地域は大丈夫と安心はしていられません。どこか一箇所でも亀裂が生じると、たちまち崩壊してしまう危険性は充分にはらんでいます。
 当院は、1日に何台もの救急車を収容し治療に当たっております。ほぼ同時に2-3台搬送されてくることも頻繁にあります。救急車で搬送されてくるような2次~3次救急患者の場合、多くは複数の医師の関与が必要で大変手間と時間がかかります。命がかかっていることなので、手を抜くことなどできません。いつも真剣勝負です。そのため、時には近隣の患者さん達のニーズに応えられない場合も生じるかと思います。1次救急、2次救急の役割を明確にし、連携を取り合いながら救急体制の維持に努めなければ、現場の医師は疲弊しきってしまい、更なる医師不足の引き金となってしまうかもしれません。この点はご理解をいただくとともに、ご協力を切にお願いする次第です。
 最近は、救急医療現場のテレビドラマが多数放映されています。時にやりすぎかなと思う点も見られますが、現場の私たちが苦労している点や真剣に取り組んでいる点などが取り上げられてとても共感を持てる番組もあります。また、医療従事者以外の方々には、医療の不確実性を理解していただく機会となっているのではないでしょうか。現場は常にハッピイエンドとは限りません。むしろハッピイエンドは少ないかもしれません(病院なので当たり前ですが…)。苦しんでいる患者さんをどうにか治したいとの気持ちで一生懸命取り組んでも、残念なことに不幸な転記を取られてしまうケースも見受けられます。しかしその逆に、笑顔で感謝の言葉とともに退院される方も多数いらっしゃいます。
 いまだ多くの問題を抱えた医療現場、医学の進歩とともに一層複雑な問題が日々山積みとなってきている印象がします。微力ではありますが、初心を忘れず、地域の方々に愛され信頼される病院作りのために、誠心誠意取り組んでまいります。

診療部長 川辺昭浩


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